【ロンドン=木村正人】欧州連合(EU)などに支援を要請したアイルランドのカウエン首相は22日、来年1月に救済条件となる緊縮予算案を成立させた後、解散・総選挙を実施すると表明した。しかし、下院の与野党の差はわずか3議席で、予算案が成立するかどうかは微妙な情勢だ。信用不安の伝染を恐れるEUは「欧州金融安定化基金」の常設化を急ぐ方針だ。 首相は記者会見で「緊縮予算案を成立させた後、困難な時期の政府を誰が担うのか問いたい」と述べた。連立を組む緑の党が予算成立後、政権を離脱すると表明、首相率いる共和党だけでは下院の過半数を維持できなくなるためだ。 首相は24日に今後4年間の財政赤字削減策を発表するが、英国に支配された歴史を持つアイルランドではEUや国際通貨基金(IMF)の監督を受けることへの反発は強く、政府の決定に抗議する活動家と警官隊の衝突騒ぎまで起きた。 同国は2008年に国防上の中立政策や中絶