今年3月の最高裁判決で違憲状態とされた「1票の格差」を是正する衆院選挙制度改革が、今国会では見送られる方向になった。菅直人首相の退陣時期に与野党の関心が集中し、腰を落ち着けて選挙制度改革を議論する状況にないのが原因。仮に首相が早期の衆院解散・総選挙に踏み切った場合、立法府の不作為が問われかねない状況だ。【野口武則】 ◇「首相退陣」に関心集中 民主党は、各都道府県にあらかじめ1議席を割り振る「1人別枠方式」を廃止し、300小選挙区を「21増21減」する改革案を執行部がまとめ、7日の党政治改革推進本部総会で議論を始めた。同党は野党時代の00、01、04年に1人別枠方式を廃止する法案を国会に提出したが、総会では「人口だけで考えるべきでない」「地方の声が反映されなくなる」など反対する意見が続出した。 こうした状況を受け、岡田克也幹事長は正式決定を次期執行部に委ねる考えを表明。首相の退陣とともに執行