障害者の姿を過度に感動的に取り上げることは「感動ポルノ」とも呼ばれ、日本でも物議を醸している。ベルギー人の女性車いす陸上選手が11日、異例の記者会見を開いてたしなめた。筋力が衰える進行性の脊髄(せきずい)の病気があるマリーケ・フェルフールト(37)だ。 彼女は、今大会直後に安楽死する――。事の発端は、数日前、そう伝えた欧州メディアの報道だ。その直後、人生最後の大会にかける彼女の姿を伝えようと、各国のメディアから取材の申し込みが殺到したことから会見で説明したかったという。集まった約40人の記者とカメラマンを前に、笑顔で語った。「リオ後に安楽死するという報道は間違いです」 14歳のころに発症。時には泣き叫びたいほどの痛さと闘い続けてきた彼女は、2008年に3人の医師の判断を経て合法的に安楽死をする書類を準備した。安楽死という選択肢があることを知ってもらいたい思いはあるが、すぐにでも死のうとして