足元では既に医療情報サイトを運営するエムスリーがベネワンにTOB(株式公開買い付け)を実施していた。ベネワンは賛同しており、同社の親会社で約51%の株式を保有するパソナグループが応募するとの合意もあった。 粛々と進んでいたTOB。そこに突如、第一生命ホールディングス(HD)が割って入ってきた。 ベネワンにとっても、パソナにとっても寝耳に水の事態だった。「外資系の企業ならまだしも、まさか生保大手が名乗り出てくるとは」とベネワンの白石社長は振り返り、パソナグループの若本博隆副社長も「第一生命HDのような超大手企業が、ほとんど前例のない動きに踏み切ったことには正直驚いた」と語る。 ■本連載のラインアップ(予定) ・第一生命がベネワン争奪戦で破ったタブー 担当者が明かす対抗TOBの内幕(今回) ・ニデックのTAKISAWA買収、あえて待つ永守流の独自戦略 ・ニデック永守氏「基本はもめない方がいい」