《裁決書(抄)》 1 事実 (1) 事案の概要 本件は、審査請求人G、同J及び同K(以下、順に「請求人G」、「請求人J」及び「請求人K」といい、これら3名を併せて「請求人ら」という。)が、相続により取得した財産の価額について、財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56ほか国税庁長官通達。以下「評価通達」という。)に定める方法により評価して相続税の申告をしたところ、原処分庁が、一部の土地及び建物の価額は、評価通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められるとして、国税庁長官の指示を受けて評価した価額により相続税の各更正処分等をしたのに対し、請求人らが原処分の全部の取消しを求めた事案である。 (2) 関係法令等 イ 相続税法第22条《評価の原則》は、相続により取得した財産の価額は、同法に特別の定めのあるものを除き、当該財産の取得の時における時価による旨規定している。 ロ 評価通達