昨年から、ミニシアターの休館が相次いでいる。今年に入り、1月28日に恵比寿ガーデンシネマ(1994年開館)が休館し、シネセゾン渋谷(1985年開館)も今月いっぱいで四半世紀の歴史に幕を下ろす。日本のミニシアター文化をけん引してきた二つの映画館がなくなることは、映画ファンや業界関係者に少なからずショックを与えている。 ミニシアターとは、その名の通り座席数の少ない小さな映画館のこと。上映される映画作品も特徴的だ。ハリウッドや日本の大手映画会社の娯楽大作ではなく、どちらかと言えば娯楽性の低いインディペンデント系の作品がその中心だ。例えば、シネセゾン渋谷の歴代の上位ヒット3作は、フランス映画の『レオン 完全版』(1996年公開)、スペイン映画の『オール・アバウト・マイ・マザー』(2000年)、そして日本映画の『PARTY 7』(2000年)。だが2000年代に入り、シネマ・コンプレックス(複合型映