小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『歳を取るのも悪くない』(養老孟司氏との共著、中公新書ラクレ)、『幸せな結婚』(新潮社) 「文系学部は肩身が狭い」という声も聞く (c)朝日新聞社 タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。 * * * ツイッターのタイムラインに、あるツイートが流れてきました。800余りもリツイートされているその内容は、一人の研究者の死に関するものでした。 3年前に急逝したというその研究者は1972年生まれ。私と同い年です。受賞歴もあり、人文系の気鋭の研究者として将来を嘱望されていたにもかかわらず、大学の非常勤講師の職を