プロで多くの投手のボールを受けてきた経験を持つ指揮官には、近畿地区NO.1右腕の異次元な部分が明確に見えたようだ。 近畿大会準々決勝の市立和歌山商vs智弁和歌山のことだ。県の一次予選から3度対戦して、全てに敗れた智弁和歌山の指揮官・中谷仁監督は天敵のピッチングをこうたたえた。 「普通の高校生は速い球や曲がりの多い変化球を投げたがるものですが、小園くんは速いストレートをバンバン投げるわけではなく、変化球をうまく使っている。その変化球も、小さい変化のものばかり。ストレートに近いボールを投げて幻惑するうまさがありますよね」 センバツ出場校に選出される可能性が高いと言われる近畿大会のベスト4進出までに至る2試合。市立和歌山のエース・小園健太(2年)が失ったのは18イニングで1点。それも、内野ゴロの間に与えたものだけだ。140km台のストレートをコーナーにうまく投げ分け、2種類のツーシーム、スライダ