7月から新型コロナウイルスの感染者は急増している。日本の場合、重症者や死亡者は感染者に比べると著しく増加はしていないものの、医療現場は逼迫の度合いを強めている。医療関係者の間では「緊急事態宣言を再度発出すべきだ」という危機感が強まっているという。 緊急事態宣言が必要だという意見の背後には、医療崩壊の切迫がある。われわれは医療崩壊を回避するために、緊急事態宣言よりも、従来の平時の政策運営の常識にとらわれない医療機関のインセンティブを考慮した財政支援によって、ECMO(体外式膜型人工肺)や人工呼吸器が必要となるコロナ重症者用や、重症には至らなくとも酸素など呼吸器管理が必要な中等症者用の病床の拡充を急ぐべきだと訴えたい。 医療崩壊の目安は重症者病床占有率50% 8月7日の新型コロナウイルス感染症対策分科会では、医療崩壊が接近する状態(ステージ4)の目安として、重症者病床占有率50%という数値を挙