値上げラッシュに収束の兆しが見え始めている。主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした11月の飲食料品値上げは131品目となった。単月の値上げ品目数としては、22年12月(199品目)を下回り22年以降で最少を更新したほか、10月に続き4カ月連続で前年同月を下回った。また、年内に計画された値上げのうち9割超が値上げ済みとなったほか、値上げ1回あたりの平均値上げ率も10月の17%をピークに低下し、11月は16%にとどまるなど、年内の「値上げラッシュ」は10月に峠を越えた。 2021年秋以降に急激な値上がりを見せた原材料価格の上昇分について、23年中旬にかけて段階的な価格転嫁=値上げが浸透したほか、当初想定に比べて電気・ガス代などのエネルギーコストが低く抑えられたことで増益を確保するなど、採算性の改善が進んだことが大きな要因とみられる。また、一部食品では値上げ後に販売数量が減少する