自分でこの雑誌を買ったのは初めてだった。たまたま「本社創業120周年記念企画」なるものがあって、そもそもこの出版元である中央公論新社が西本願寺に関係あるということも初めて知った。だからどうというものではなくて、ただ「へぇ」という類の話。 で、本題。特集号は「下流社会」の三浦展氏、「ニートって言うな!」の本田由紀氏、それから斉藤環氏と、この問題に関する論客をそろえて論を展開している。このあたりは有名な方々で、書かれていることもだいたい「想定の範囲内」。だからつまらんというのではもちろんなくて、こういうのをコンパクトにまとめて読める記事というのはやはりいい。文章も平易でわかりやすいし、質の点でも「安心感」があるし。こういうのは、金を出して読む価値がある文章、なんだろう。 ただ、より面白いと思ったのは、それ以外の方々のもの。菅原琢「格差問題は第二の『郵政』となるか」は東京大学と朝日新聞が共同で行