知の考古学 ミシェル・フーコー 河出書房新社 1979 Michel Foucault L'Archeologie du Savoir 1969 [訳]中村雄二郎 ミシェル・フーコーの話に入る前に、手前味噌の話を少々しておきたい。なぜこんな話をするかということはすぐにわかる。後半でも関連してくる。 編集工学研究所はいくつかのアーカイブをつくってきた。最初はプリントメディアのフルカラーの大冊『情報の歴史』(NTT出版)で、サブタイトルに「象形文字から人工知能まで」と銘打った。一万年の「情報」の変遷を綜合年表にしたものだ。これはのちに慶應大学の協力(金子郁容リーダー)でデジタルメディア化して「CRONOS」というデータベース・システムにした。 その後、いくつかの試作をへて、まとまったものとしては京都の歴史文化の事象・図像・テキスト・詩歌などを多重多層の構造で貯蔵し、連想検索に工夫を凝らした京都