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[書評]Nの肖像 統一教会で過ごした日々の記憶(仲正昌樹): 極東ブログ
80年代のニューアカ系譜にある浮薄な現代思想の分野で一番まともな仕事をしているのが金沢大学法学類教... 80年代のニューアカ系譜にある浮薄な現代思想の分野で一番まともな仕事をしているのが金沢大学法学類教授仲正昌樹氏ではないだろうか。あるいはその独自のアイロニカルな舌鋒が私の好みに合うというだけかもしれないが。彼の学究の根底には若い日の統一教会信者体験が関わっていることは、自身も各所で述べていた。それはどういうことなのか。そこに関心を持つことは、対象が思想家であるなら、そうプライベートな領域を覗き込む下品なこととも言えないだろう。思想というもの根幹にも関わる秘密には独特の魅了性がある。だが、その、社会的に異質な宗教の信者であったという、仲正氏の過去の体験に正面から立ち向かった著作はこれまでなかった。「〈宗教化〉する現代思想」(参照)などを読んだ印象からすると、その部分は語られないのかもしれないとも思っていた。 しかし、仲正氏は本書で語りだした。私は本書が出たと知ったときにためらうことなく読み始
2009/11/26 リンク