総体的に考えてみれば、匿名で情報発信できる状況を守ることも、実名で責任ある議論を展開することも重要、というあたりがしごくまっとうな落としところじゃないかと思うんだが、皆さんそれぞれのお立場とか苦い経験とかがあるもんだから、そう簡単には引き下がれないわけだ。 対立点はいろいろあるんだろうが、ごくあらっぽく煮詰めると、「自由と責任」なんてあたりに行き着くんじゃないかと思う。本来、両方伴ってなんぼという建前なんだろうが、実際上はどうもトレードオフっぽくなってるわけで。匿名で責任ある議論を展開できればそれはそれでOK。実名で無責任な言論を展開すればそれなりの結果が待ってるのは当然のこと。問題は、匿名で無責任な言論を展開する場合で、これを必要悪として認容するかしないか、あるいはこれに積極的な価値を見出すか見出さないか、なんてあたりが焦点になるんだろう。何か弊害軽減のための方策を立てれば、反対側のとこ
先日出た「検証:ポピュリズムか集合知か ネット選挙の行く末」というイベントの際に、「ネット世論オプティマイゼーション」ということばを使ったらなんだか一部で受けたらしい(参照:ガ島通信)。あの場で話を聞きながら思いついたことばだが、それまでもやもやしてたのがあのときふっとことばになった感じがする。 そもそも、ちょっと前からネット世論に関して気になることがあった。私よりずっと前から気づいてた人も多いと思うけど。 前からブログをやってる人は皆感じていると思うが、トラックバックという機能の「価値」は、最近大きく変化している。電子メールがスパムメールの氾濫で通信手段としての価値を低下させたのと同じ理由で、スパムトラックバックがとんでもなく増えている。私の場合でいえば、どう低く見てもトラックバックの9割以上がスパムだ。 特に最近は、例の「在宅ビジネス」のための自動化ツールがどんどん出てきて、いくつもい
2007年1月21日に放送されたNHKスペシャル「グーグル革命の衝撃」があちこちで話題になっている。初めて知ったという人も知ってることばかりじゃんという人も、「グーグルすごい」という人も「グーグルなんか」という人もいるが、総じていえば「グーグルすごい、でもちょっとこわい」みたいな感想が多いだろうか。もちろんそれは、番組自体がそう描いていたからでもあって、映像やらBGMやらも含めて、全体としてこわがらせようとする雰囲気を演出していたように思う。 で、見ながらつらつらととりとめもなく考えたんだが。 「こわい」というのは、要するにグーグルに情報の流れをすべて握られてしまうのではないか、そうなったらどうなってしまうのかみたいな話なわけだが、これには大きく分けて2つの類型があるように思う。「グーグルにすべてを握られてしまうのではないか」派と、「グーグルに無視されたら終わりだ」派だ。いいかえると、「グ
Winnyをめぐって昨日出た判決については、各所からいろいろなコメントが出ている。ネットの「外」ではともかく、ネットでの大勢は「不当である」というもののようだ。批判の主な理由は「自由なソフト開発を阻害する」というもので、そこに「それがいけないならあれもいけないことなるではないか」的な理屈が付け加わる。 私も批判派だが、法律家でもないし、他の人と同じことを書いてもどうかと思うので、少しちがった観点から書いてみることにする。 他の人も大半はそうだろうが、判決文そのものは読んでいない。2006年12月13日朝日新聞夕刊の要旨を前提にして書く。いくつかポイントを抜き書きしてみる。 外部への提供行為が幇助行為として違法性を有するかどうかは、その技術の社会における利用状況やそれに対する認識、提供する際の主観的態様による。 被告は、ウィニーを利用する者の多くが著作権者の承諾を得ないで著作物ファイルのやり
GoogleがYouTubeを買収すると発表した件については、すでにいろいろな専門家の方々がいろいろと書かれていて、私としてはふむふむと読んでお勉強しているところだ。私ごときがこの段階で何か書くのもどうかと思うのだが、ちょっとわからないことがあるので、その点だけ書いておくことにする。 かいつまんでいうと、これは「攻め」なのか「守り」なのか、ということだ。 当たり前じゃん攻めだよ攻め。というご意見の方もあろう。梅田さんは、「ウェブ進化論」の主張に沿った内容と考えておられる模様。渡辺さんは、今後の展開の可能性なんかについてもいろいろ示唆していたりする。一方、リスクファクターとして著作権処理の問題を指摘する方もいれば、「金はあっても考えなし」だと斬って捨てる人もいる。 で、ここから先がわからないところ。 このケースで私が気になったのは、GoogleがすでにGoodle Videoという同種のサー
ブログをやっているなどというと、「これから始める人に何かアドバイスを」などといわれることがある。もちろん、たいていは社交辞令だ。それでも、聞かれた側はそれなりに一生懸命考えて答えたりしなければならない。そんないい知恵があるなら自分だって教えてもらいたいね、とか思いながら。 そんなときのために、ひとことですむ簡単な模範回答みたいなものがないだろうか、と考えたことがある。 もとより個人ブログに「こうすべき」みたいなルールなどない。個人の表現行為だ。犯罪になるのはまずいが、基本的には「好きなようにやればいい」のだ。ということを前提として。 Bartle (2004)によるオンラインゲームプレーヤーの4分類というのがあるが、それを流用すれば、やはりブロガーにも4つの類型があるのだろう。 (1)Achievers(自分の目標の達成のために活動) (2)Socializers(他人と交流するために活動
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