日本野球の未来は暗い。こう言い切ってしまうと、驚く人が多いだろう。熱心なファンは、プロ野球や高校野球の人気は盤石だと感じているかもしれない。だが、実際に複数のデータから浮かぶのは、深刻な「野球離れ」の実像だ。日本の野球界は、もはや差し迫っていると言ってもいい"危機"を迎えつつある。このままでは、国民的人気を誇ってきた野球がマイナースポーツになってしまう。私自身、野球を愛してやまない1人のファンであり、それだけに現状を危惧している。 「そんなはずはない。野球人気は今も高い。いや、以前に比べてもファンは増えている」。そう声を上げたくなる野球ファンも多いだろう。確かに2016年の日本のプロ野球の観客動員はセ・パ、両リーグとも史上最多を記録し、合計で2498万人に上った。広島東洋カープや横浜DeNAベイスターズなど、ファンがホームゲームを観戦しようとしても、チケットの入手が困難な球団も出てきている