いま、図鑑がおもしろい。 コロナ禍以降、自宅学習のためなどに児童書が求められる傾向が強まり、2020年の児童書の推定販売金額は前年比5.7%の930億円と大きく成長した(出版科学研究所調べ)。 学習図鑑市場トップの「小学館の図鑑NEO」は「この1年ほどでシリーズ累計約120万部を増刷し、一度の重版でかかる部数はコロナ禍以前より倍近くになっています」(小学館 図鑑NEO編集長・根本徹氏)。 とはいえそもそもコロナ禍以前から、図鑑市場は市場を拡大してきたジャンルだった。 たとえば2009年には3大定番「動物」「昆虫」「恐竜」のような分類別図鑑とは異なる、ジャンル横断型の「テーマ図鑑」である『小学館の図鑑NEO+ くらべる図鑑』が120万部の大ヒットになると、各社が次々に参入して市場を活性化。 定番の分類別でも、2011年に講談社がDVD付き図鑑『MOVE』を創刊すると、14年に「小学館の図鑑N