「自分の中に毒を持て」岡本太郎 1993 青春文庫 グラスの底に顔があってもいいぢゃないか! 十数年ぶりに読み返した。 いや、すごい。爆発してます。 十八歳でパリにやってきた岡本太郎は「人生いかに生くべきか」という大問題に直面した。そして、、、 残酷な思いで、迷った。ぼくはごまかすことができないたちだから。そして・・・今でもはっきりと思い出す。ある夕方、ぼくはキャフェのテラスにいた。一人で座って、絶望的な気持ちで街路を見つめていた。うすい夕日が斜めにさし込んでいた。 「安全な道をとるか、危険な道をとるか、だ」 あれか、これか。 どうしてそのときそんなことを考えたのか、今はもう覚えていない。ただ、このときにこそ己に決断を下すのだ。戦慄が身体の中を通り抜ける。この瞬間に、自分自身になるのだ、なるべきだ、ぐっと総身に力を入れた。 「危険な道をとる」 いのちを投げ出す気持ちで、自らに誓った。死に対