ブックマーク / hiroki-hayashi.hatenablog.com (31)

  • 夢の間に - 手探り、手作り

    夏目漱石の「道草」は主人公の、 「世の中に片付くなんてものは殆どありやしない。一遍起つた事は何時までも続くのさ。ただ色々な形に変わるから人にも自分にも解らなくなるだけの事さ」 という印象的なセリフで終わる。 「道草」の前に書かれた「ガラス戸の中」というエッセイにおいて、漱石は「一遍起つた事は何時までも続く」ことについて、より生々しい言葉で語ってゐる。 病に臥せってばかりの自分の健康状態をあらわす言葉として、これまで「どうかこうか生きてゐる」という一句を使ってきたが、ある人から「まあもとの病気の継続なんでしょう」と言われて「継続」という言葉が気に入った。それからは「病気はまだ継続中です」と答えるようになった。 漱石はこの「継続」という言葉から哲学的な思索を展開する。 欧州では戦争が続いてゐる。今こうして人と話したり文章を書いたりしてゐられるのは、天下が太平になったからではない。たまたま塹壕の

    夢の間に - 手探り、手作り
    cenecio
    cenecio 2020/10/05
    「自分で夢の間に製造した爆裂弾を、思ひ思ひに抱きながら、一人残らず、死といふ遠い所へ、談笑しつつ歩いて行く…」シニカルというより自嘲気味の喩えが衝撃です。しばらく頭を離れそうにありません。
  • 「方舟さくら丸」安部公房 - 手探り、手作り

    「方舟さくら丸」安部公房 新潮文庫 1990(原著は1984年) 安倍公房の作品を読むのは「砂の女」と、これが二作目。面白かった~😄 「人間は当に自由を求めてゐるのか」「われわれはいつも閉じ込められてゐるのではないか」というモチーフが浮かび上がってくる点は「砂の女」と共通。 「方舟さくら丸」は「砂の女」と比べて小道具がやたらと興味をそそり、物語として断然面白い。ただそのぶん文体の密度とか小説世界の象徴性・神秘性みたいなものは薄いのでそこは「砂の女」のほうがよかったな。 「方舟さくら丸」は人間の「縄張り意識」を主題とした思考実験だ。 たとえば人類を祖先をともにする類人猿には、はっきり二つの傾向が認められる。集団をつくって社会化しようとする拡張傾向と、縄張りにこもって城を築こうとする定着傾向だ。人間はなぜかこの二つの矛盾する傾向を同時に身につけてしまった。ネズミやゴキブリ以上の適応力で地上

    「方舟さくら丸」安部公房 - 手探り、手作り
    cenecio
    cenecio 2020/10/04
    「砂の女」と何か短編を読んだ記憶があるんですが無機質な感じがして興味が持てなかった。今読めばきっと違うはず。チェコでは70~80年代にたくさん翻訳されて多くのファンを獲得した。紹介がうまかったのだと思う。
  • 「イスラーム文化 その根底にあるもの」井筒俊彦 - 手探り、手作り

    「イスラーム文化 その根底にあるもの」 井筒俊彦 岩波文庫 1991(原著:1981) 名著すぎる。学問てほんとスゴイなと思う。 こういうを読んでゐるときが一番幸せ。最高の時間だった。 「ひとつの文化構造体としてのイスラームの最も特徴的と考えられるところ、つまりイスラーム文化を他の文化から区別して、それを真にイスラーム的たらしめているもの」 「イスラーム文化のすぐ誰にでも目につく表面に現れた姿ではなくて、そういう表面的な形態の奥深くところ、いわば底辺領域にひそんでいる精神と申しますか、質的な部分と申しますか、とにかくふつう簡単には見えてこないような、イスラームの文化的エネルギーの源泉」 について、Ⅰ宗教、Ⅱ法と倫理、Ⅲ内面への道、の三部構成で論述する。 ぼくは「〇〇を真に〇〇的たらしめてゐるもの」みたいな質論が大好きで、野心としては「カタックを真にカタック的たらしめてゐるもの」 を解

    「イスラーム文化 その根底にあるもの」井筒俊彦 - 手探り、手作り
    cenecio
    cenecio 2020/09/25
    井筒先生を巡る思い出も幾つかあるんですが、なにしろ巨大な方なのでちょっとやそっとのエネルギーでは文章にできません。語るのもおこがましい気もしますし。でもいつか書いてみます、簡単にですけど。
  • 上北山村 一泊 - 手探り、手作り

    四連休に奈良に帰省。男達3人で上北山村へ小旅行。 上北山村には友人が住んでゐて、一緒に庭でバーベキューをした。アユ、アマゴ、鹿の肉など土地の名産品をおいしくいただいた。鹿の肉は初めて。少しの臭みもなく、厚みのあるタンのような味がしてけっこういけた。夫の友人が3人も押し寄せて奥さんはだいぶん気を使って疲れたと思う。ありがとうございました。 日で一番降水量が多いとされる大台ケ原へハイキングに出かけた。なるほど夜から朝にかけては雨が降ってゐた。しかし日が昇るにつれて雲が去り、気持ちのいい秋晴れとなった。温暖化の影響で雪が少なくなり冬を越すのが容易になったために鹿の数が増えてゐるらしい。それで植林が荒らされてしまうから、山人の間では鹿はたいそう憎まれてゐるそうだ。 山歩きは疲れる。温泉につかる。鉄の味のするぬるい湯にゆっくりと。すっかり眠くなったから休憩所でしばし仮眠をとり、帰路につく。山下

    上北山村 一泊 - 手探り、手作り
    cenecio
    cenecio 2020/09/24
    よい旅をなさったようですね。旧交も温め、ご家族ともかけがえのない時間…そしてあの景色は何よりのリフレッシュ、凄い眺めですね。コロナ禍の嫌なこと少しは忘れられたでしょう。
  • 菅政権年表 - 手探り、手作り🐘

    休止します。(2021年2月12日 記) 政治状況があまりにひどいので、2017年に「第2次安倍政権年表」をつくりはじめました。せっかくなのでと「菅政権年表」もはじめてみたのですが、最近どうも気力がわきません。ぼくは年表をつくることで「健忘症」という日政治風土と戦っているつもりだったのですが、これをムダな闘いであると認め、撤退します。 自分なりに精一杯やりましたが、ぼくにはこの年表を多くの人が利用できるような開かれたもの、もっと穏健で、精確で、デザイン性に優れたものにする能力がありません。結果的には「戦っている」と自分を納得させるためのものにしかならなかった。 また、今の日は批判精神に対する忌避と現状肯定への意志があまりに強く、自分がどう抵抗しようとどうにもならないという気持ちになったことも一つです。 人それぞれ政治への関心の持ちかた、実行のしかたにはいろいろあると思いますけれど、こ

    菅政権年表 - 手探り、手作り🐘
    cenecio
    cenecio 2020/09/17
    お疲れ様です。林さんになんと声をかけたらいいのか…アレ政権のあとは甘くないシュガ…ううう😣内閣の顔ぶれ見てもやれやれです。ともあれいつも参考にさせてもらってます。感謝👏
  • 「インドの細密画を訪ねて」浅原昌明 - 手探り、手作り

    「インドの細密画を訪ねて 上下」浅原昌明 新風舎2006 すごい労作。著者の浅原昌明という方、略歴によれば会社員としてインドに赴任してゐたときに細密画に魅了され、働きながら研究を続けたとのこと。それがこの大著につながったのだからすごいですね。勇気付けられます。 上巻の冒頭にインドの神話と文学の概説がある。 「ラーマーヤナ」 「バーガヴァタ・プラーナ」 「ギータ・ゴーンヴィダ」 これら物語についての解説がとてもよかった。 「ラーマーヤナ」はヴァールミーキ作、紀元2世紀頃に成立。ラーマ王子が、妃シーターをランカ(今のスリランカ)へ連れ去った魔王ラーヴァナと戦い、猿王スグリーヴァの助けを得て妃を取り戻す物語。 「バーガヴァタ・プラーナ」は10世紀頃に成立したクリシュナ神信仰文学の代表作で、ヒンドゥー教ヴィシュヌ派の聖典「プラーナ文献」のうちの一つ。ヴィシュヌ神の化身としてのクリシュナの生涯を詳細

    「インドの細密画を訪ねて」浅原昌明 - 手探り、手作り
    cenecio
    cenecio 2020/09/09
    献身、一意専心、そんな世界をのぞいて心を鎮めたい。
  • 夏目漱石の「明暗」 - 手探り、手作り

    夏目漱石「明暗」の何度目かの通読を終えたので、いまの気持ちを書いておきたい。最高にいい気分だ。たぶん、四度目か五度目かになるのだけど、今回が一番よかったかもしれない。「自然/天」が「人間/私」を動かしていく、その様を堪能した。 ぼくはこの小説を個人的に「エゴイズム大戦争」と呼んでゐるのだけれど、人間と人間が出会う、こちらの我執とあちらの我執が衝突する、それを契機として人間が動いて別の人間と出会う、また衝突する。その繰り返しだ。 我執というのは自分の面子とか見栄とか虚栄心とかであって、ほじくりかえせばショーモナイものだ。しかしそのショーモナイものを守ることが誇りであり自尊心であったりするというのが人間のどうにもならないところだ。 「明暗」を読むと、他人から見ればただの見栄でしかないものが、人からすれば実存のかかった砦なのだということがよくわかる。 明暗における我執の衝突は要するに「マウント

    夏目漱石の「明暗」 - 手探り、手作り
    cenecio
    cenecio 2020/09/05
    「漱石さん、そこで死なんといてくれよ」林さんの嘆きがよく伝わります。でも考える材料をたくさんくれましたね。まだ読んでないんですけど読む楽しみがますます高まりました。明暗!
  • 「未知との遭遇 完全版」佐々木敦 - 手探り、手作り🐘

    「未知との遭遇 完全版」佐々木敦 星海社新書 2016 過去と未来を肯定するための「最強の運命論」を提唱する「自己啓発」。 とっても面白かった。 めっちゃいいなので、いろいろ書きたい気もするけれど(「偶然性」にかかわる議論とか最高だった)、今夜はすごく疲れてゐる。まったく気力がでないので、いいかげんにすませてしまう。 いいかげんに書いてそれを平気でアップするのはきっと後悔するのだろうけれど、それもいいぢゃないか。だってそれも「決まってる」のだから。しょーがないよ。 「最強の運命論」は、過去も未来もすでに全部「決まってる」という。そうなると自由意志がないような気がしてなんにもする気がなくなるけれども、そうではない。 たとえ望ましくないことが起こったとしても、現実を否認せずに「なるほど、そうきたか」と思って受け入れる。だって「決まってる」のだから仕方がないぢゃないか。未来も決定されてゐる。

    「未知との遭遇 完全版」佐々木敦 - 手探り、手作り🐘
    cenecio
    cenecio 2020/09/05
    「もっと堕ちる」堕ちている最中ですね。この感覚はわかります。つまり地に足がつかないという意味で。つかなければ地面を蹴れない。蹴れなければ跳ぶどころか前に歩み出すこともできません。
  • ボールを先に聞かせることの意味。 - 手探り、手作り

    寝転がって佐々木敦さんの「未知との遭遇 完全版」というを読んでゐたら突然ひらめいたことがあったのでメモしておく。 「ひらめいたこと」というのは、カタックのヌリッタ(抽象舞踊)において、観客に先にボールを聞かせることの意味、というか効果について、なるほどそうかと思うことがあった。気づいてみれば当たり前の話なのだけれど、しかしそれは「気づいてみれば」そうなのであって、気づくことによってより深く理解できるのだから、すごく大事なことなのだ。 ボールというのは「Dha Da Thei Ta」など無意味な音をつなげてつくられる一連のリズムパタンのことである。ヌリッタでは多くの場合、ダンサーがボールを発声して観客に聞かせ、次にそれに合わせて踊る。 www.youtube.com この「先にボールだけ聞かせる」ということが、ヌリッタの快の生成にすごく大きな意味をもってゐるということに気がついたのだ。 ボ

    ボールを先に聞かせることの意味。 - 手探り、手作り
    cenecio
    cenecio 2020/09/05
    身体がなぞっていき、視覚化・・・。自分が未だ足を踏み入れたことのない異次元の世界を小さな穴から覗き見して衝撃を受け、あっと声を漏らしているところ。
  • 「コロナ後の世界を生きる」村上陽一郎 編 - 手探り、手作り

    「コロナ後の世界を生きる」村上陽一郎 編 岩波新書 2020 24名の小論を収める。拾い読み。 科学史の大家である村上陽一郎氏は1936年生まれ。Wikipediaによると9月が誕生日で84歳になる。この年齢でこういう瞬発力を要する仕事をするのはすごいと思う。今後5年10年のうちに、村上氏のような戦争を経験した世代がほんとうに日社会から消えてしまうと思う。そのとき日の言論界はどうなるだろうか。養老先生とか亡くなったら、ぼく、辛い😿 村上氏の論考「COVID-19から学べること」。 新型コロウイルスの登場以前から、我々は類を見ない超高齢化社会にゐる。これは成員の相当数が死と隣り合わせで生きてゐる社会である。そのことを思い出すべきという。 かつての「非常時」 、私たちは、今日を生き延びられた夜、ほっとして今日一日を何とか「生きた」という実感を、敢えて言えば「悦び」を得ていた。私は小学生だ

    「コロナ後の世界を生きる」村上陽一郎 編 - 手探り、手作り
    cenecio
    cenecio 2020/08/28
    「無能なリーダー」で機能不全は「日本ではむしろ歴史的な常態」とは言ってもここまで酷いとは!と愕然と絶望し、県や区などに期待を寄せているのが現状。今後の見通しは立たず秋冬が大変に心配です😩
  • 「朝鮮半島と日本の未来」姜尚中 - 手探り、手作り

    「朝鮮半島と日の未来」姜尚中 集英社新書 2020 半島両国への差別的かつ攻撃的な物言いがあふれかえる現在の日の言説空間において、姜尚中氏の語り口の穏和と誠実は稀有のものだ。この稀有はどこからくるのか。 氏は「はじめに」において、朝鮮戦争の勃発した1950年に生れた氏にとって70年間の休戦状態は「呪い」のようなものであり、その克服が「人生最大の主題」であったと述べたうえで、次のように書く。 ある時期まで、私は、戦争の終わりを見届ける一冊を書き上げることを夢想していた。二〇〇三年に上梓した『日韓関係の克服』(集英社新書)は、日朝平壌宣言に触発されて書き下ろした、五〇代前半における勝負作であった。書もまた、私にとっての勝負作である。だが、前回とは違い、今回は、ある種の諦念と折り合いをつけながらの作業であったように思う。ーーー私はもう南北朝鮮の統一を見届けることはないのだ。 3頁 氏の無念

    「朝鮮半島と日本の未来」姜尚中 - 手探り、手作り
    cenecio
    cenecio 2020/08/28
    姜さんのおっしゃること全く正論で「現状維持」で米国追従の外交から抜けなきゃいけないのだが今の政権じゃ無理な気が…😣ところでご存知かもだけどこれ良かった👍https://webronza.asahi.com/politics/articles/2020052400010.html
  • 座り心地の悪い椅子 - 手探り、手作り🐘

    若松英輔さんのツイート。 文章を書くとは、己れを知る道程だから、書けば書くほど自らの非才を認識することになる。非才であるがゆえ、できることは限られていて、眼前に広がる一すじの道を歩くほかないことを知る。非才の自覚は、夢を失うことかもしれない。しかし、非才な者にも使命はあることを確かに知る経験でもある。 — 若松 英輔 (@yomutokaku) 2020年8月15日 これは当にそうだなあと思った。 ぼくもこうしてブログにいろいろ書いてゐるが、なにを書いても自身の非才と阿呆と未熟を痛感して落ち込む。 書く、へこむ、復活する、また書く、の繰り返し。ダンスも同じで、練習する、ビデオにとる、見てへこむ、復活する、また練習する、の繰り返し。 やめてもいいわけだけれど、へこんでもなぜか復活してまた始めてしまう。なんかおもしろい。なんど繰り返しても、ちゃんとへこみ、ちゃんと復活する。 まあ要は暇なんだ

    座り心地の悪い椅子 - 手探り、手作り🐘
    cenecio
    cenecio 2020/08/16
    なかなかおもしろい比喩ですね。ところで『坐り心地の悪い椅子 』と書くようです。新潮社刊でしたね。「非才な者にも使命はある」こちらもよい言葉です。
  • 「街場の日韓論」内田樹 編 - 手探り、手作り

    「街場の日韓論」内田樹 編 晶文社 2020 書の前書きは内田樹さんのブログに公開されてゐる。(こちら) いま日韓関係は僕が知る限り過去最悪です。もっと関係が悪かった時代もあるいは過去のどこかの時点にはあったのかも知れませんけれど、僕の記憶する限りはいまが最悪です。どうして「こんなこと」になったのか。それについて僕自身は誰からも納得のゆく説明を聞いた覚えがありません。 メディアの報道を徴する限り、ことは韓国大法院の徴用工の補償請求への判決から始まったとされています。でも、もちろんこの判決が下るに至る日韓関係の長い前史があります。日政府は1965年に問題の始点を区切って、「そこから」話を始めて、それ以前のことは「解決済み」として考慮に入れないという立場ですが、韓国の人たちはそれでは気持ちが片づかない。 法理上のつじつまが合うことと、感情的に気持ちが片づくということは次元の違う話です。次元

    「街場の日韓論」内田樹 編 - 手探り、手作り
    cenecio
    cenecio 2020/08/01
    買ったんですけどまだ読んでいないです😅虫食い的にパラパラと。白井氏などは時間がかかりそうなので😌詩、特に岩田宏はすごいですね。以前ニュージーランド人が日本の好きな詩人の一人に挙げていたので知りました。
  • 「インドのヒンドゥーとムスリム」「ムガル帝国時代のインド社会」 - 手探り、手作り

    「インドのヒンドゥーとムスリム」中里成章 山川出版社 2008 「ムガル帝国時代のインド社会」小名康之 山川出版社 2008 世界史リブレットというシリーズから二冊。こんなふうに薄くて内容の濃いはありがたい。こういう入門書をさらっと読んで、より専門的な書物に進んでいきたい。 中世インドについて勉強をはじめたばかりだけれど、何かを知るとよりわからなくなるという例のあれにさっそく逢着した感じだ。さっぱり分からないな。 ヒンドゥー教とイスラム教、言葉にすれば別の二つのものがあるようだけれど、インドのそれはゆっくり時間をかけてじっくり根付いていったもので、地域差があり階層差があり時代差があり、あまりに複雑でおおよそのイメージさへもつかめない。 弱ったなあ 笑 カタックについての記述はもちろんない。カタックについて日語で書かれたものは当にわづかばかりで、最大公約数的な概要しか知ることができない

    「インドのヒンドゥーとムスリム」「ムガル帝国時代のインド社会」 - 手探り、手作り
    cenecio
    cenecio 2020/07/25
    インドっておもしろそうですね。現在ヒンドゥーとムスリムの対立もあって不穏ですけど。イランからゾロアスター教信者を受け入れていたり…と懐が深いんでしょうね。
  • 「細君から嬲られる時の軽い感じ」 - 手探り、手作り

    漱石の「明暗」を読んでゐる。どこを読んでも見事な文章でひたすら感嘆してゐる。 第十二章、津田は手術のために会社を数日休む旨を伝えに上司の吉川の家へ行く。しかし吉川は不在である。津田は細君に言伝をたのむ。 細君は快く引き受けた。あたかも自分が人のために働いてやる用事がまた一つ出来たのを喜ぶやうにも見えた。津田はこの機嫌のいい、そして同情のある夫人を自分の前に見るのが嬉しかつた。自分の態度なり所作なりが原動力になつて、相手をさうさせたのだといふ自覚が彼をなほさら嬉しくした。 彼はある意味において、この細君から子供扱ひにされるのを好いてゐた。それは子供扱ひにされるために二人の間に起る一種の親しみを握る事が出来たからである。さうしてその親しみをよくよく立ち割って見ると、やはり男女両性の間にしか起り得ない特殊な親しみであつた。 津田は細君に甘えるのが心地よい。また細君のほうは津田が甘えてくるのがかわ

    「細君から嬲られる時の軽い感じ」 - 手探り、手作り
    cenecio
    cenecio 2020/07/11
    興味がなくてご迷惑かもですがブロガーバトンをお渡ししたい。それが何であるか自分もイマイチわかっていないので頂いた人のを参考に今から書きます。つきましては当記事と自己紹介記事言及させてください(●'◡'●)
  • 心づもり - 手探り、手作り

    ロシアの憲法が改正され、制度としては現職のプーチン大統領が最長で2036年まで続投できるようになった。香港では国家安全維持法が施行され、さっそく逮捕者が出た。香港の自治もいよいよ危うい。インドでは中国発の動画アプリTikTokの使用禁止が決まった。米国でもTikTokを禁止するという話が出てゐる。その米国は来年7月にWHOを脱退するらしい。また、米朝対話は決裂し半島の非核化と南北融和への動きは暗礁に乗り上げたままだ。 大国の勢力争いがいよいよ露骨になってきた。こうした情勢で民主主義や言論の自由といった共通の価値を重んじる日韓の連携は極めて重要なはずだが、そのような機運は生まれない。日を覆う朝鮮嫌いの空気は濃度を増し続けてゐる。日にそこそこの国力がある限り、明治の「脱亜入欧」以来のアジア蔑視はなおらないかもしれない。 東京都知事選では現職の小池百合子が圧勝した。結果は分かってゐたことだが

    心づもり - 手探り、手作り
    cenecio
    cenecio 2020/07/09
    いやあ全くです。腐敗政権のスキャンダルやら棄民政策の絨毯爆撃がしずまったと思ったら今度は災禍に次々と見舞われる。今朝の地震怖かったですね。雨の被災地を心配しました。今日も東京は派手に多かったな(-"-)
  • 米線おいしい。 - 手探り、手作り

    無性に米線がべたくなる時がある。 米線とは中国雲南省の郷土料理だ。 ぼくはかつて一年半ほど雲南省都の昆明に住んでゐたことがあり、その時は毎日のように米線をべてゐた。 日ではべられる店が少ない。 先日行った新橋の「過橋米線」はぼくが昆明でべてゐたのと同じ味でたいへん満足した。 「これだ、これだ」と言いながら嬉しくいただいた。 昆明の乾いた空気がときどき恋しくなる。 琵琶の音、古筝の音。 高い空。 油だらけ、唐辛子まみれの料理。 懐かしい。 今すぐ、もう一度、土鍋米線をべたい。 土鍋米線。

    米線おいしい。 - 手探り、手作り
    cenecio
    cenecio 2020/07/02
    お住まいだったんですか。懐かしいでしょうね。匂いや味などは長く記憶に残ります。新橋のお店_φ(・_・めも
  • 「かたちのオディッセイ」中村雄二郎 - 手探り、手作り

    「かたちのオディッセイ」中村雄二郎 1991 岩波書店 たいへん面白かった。 書で中村は「汎リズム論」を展開する。 次のようなものだ。 『かたちのオディッセイ』の全体、とくに第Ⅱ章と第Ⅷ章でも書いたように、私のリズムや振動への関心は、〈かたち〉の問題をいろいろな角度から追及していった過程で出てきたものであった。〈かたち〉を視覚的なものに限らず、聴覚的なものについても考えるべきだという立場を押しすすめていったところ、振動や響き合いや引き込み現象に出会い、すべての形態生成に、とくに生命体の形態生成にリズム振動が中心的な役割を果していることに気がつくようになったのである。 その考え方の要点を述べておけば、次のようになる。自然界のなかに自然発生的に生じた簡単なリズム振動同士が引き込みによって共振し合うとき、リズム振動体は次第に複雑化し、物質代謝の機能を獲得しつつ、自立化していく。こうして、物質界

    「かたちのオディッセイ」中村雄二郎 - 手探り、手作り
    cenecio
    cenecio 2020/06/13
    旋回ダンス一度TVで見た事があります。その優雅さに見惚れました。あとKomal Khushwani さんね、いいです👍💮
  • 「タクシー運転手 約束は海を越えて」 - 手探り、手作り

    「タクシー運転手 約束は海を越えて」2017 韓国 監督:チャン・フン 出演:ソン・ガンホ、トーマス・クレッチマン、ユ・ヘジン Amazonプライムで鑑賞。 勉強になるし、面白いし、感動する。 全方向的にいい映画だった~。 一人一人の選択によって歴史がつくられていくんだという民主制獲得の物語。 ☟予告編。 ☟公式サイト。 民主化以前/以後で韓国は別の国なんだということがよく言われる。そのために日韓両国ですれ違いが起こるのだと。 なるほど、この映画を見るとそんな感じがするな。 こういう映画が1200万人動員して年間興行収入1位になるんだからすごいと思う。 民主化実現という国民国家生成の物語を享受し、国民の記憶として定着させてゐるところなんだろう。 いいな。 ぼくは、戦後日の「冷戦構造のなかで焼野原から復興する」という国家の物語はずいぶん前に賞味期限が切れてもう機能してゐないので、「日国」

    「タクシー運転手 約束は海を越えて」 - 手探り、手作り
    cenecio
    cenecio 2020/06/07
    まだ見ていないです。いつか必ず見ようと思ってるんですが‥‥"(-""-)"
  • 依存心(危機の時、5/31~6/6) - 手探り、手作り🐘

    cenecio
    cenecio 2020/06/07