法隆寺(奈良県斑鳩町)に残る飛鳥時代の国宝「玉虫厨(ず)子(し)」を当初の姿によみがえらせた「復刻版」と新たな「平成型」の2点が、昨年亡くなった岐阜県高山市の実業家の遺志によって完成し、1日、復刻版が同寺に奉納された。20日〜6月末に開かれる秘宝展で展示する。 玉虫厨子は仏像などを安置する仏具。いずれも実物と同じヒノキ製で、高さ約2・31メートル、幅約1・36メートル、奥行き約1・19メートルのほぼ原寸大。 復刻版の台座部分には漆絵の仏画が描かれ、透かし彫り金具下にタマムシの羽約6600枚が敷かれている。平成型は高蒔絵(まきえ)の技法などを施した芸術品で、タマムシの羽約3万6000枚を使った。 高山市の故中田金太さんが同寺を訪れた際に実物を見て、約1300年前の輝きを再現して現在の匠の技を伝えようと決心し、各地の匠が協力。設計と木工は高山市、塗り・蒔絵は石川県輪島市、金具は京都市の職人らが