携帯型虫よけ器の特許権を侵害されたとして、アース製薬(東京都千代田区)がフマキラー(同)を相手に商品の製造・販売差し止めを求めた訴訟の判決で東京地裁は31日、請求を棄却した。清水節裁判長は「特許自体が無効で認められない」と述べた。提訴したアースが逆に自社の特許権を否定された。 アースは06年「害虫防除成分を含む薬剤保持体」と「気流を当てるファン」を収納する仕組みを特許出願し08年登録。「蚊に効くおそとでノーマット」を製品化し、フマキラーの「どこでもベープ No1 NEO」など2商品が特許侵害していると主張した。 フマキラーは「97年にフランス人が同種の発明を公開している」と反論。判決は「97年の発明を知っていれば、アースの特許は容易に発想できる」と判断した。【伊藤一郎】