火葬は仏教徒固有の葬儀様式ではなかった? ■ 外国人から見たら、日本人の宗教観ほど理解できないものはないかもしれない。年間を通じて実にさまざまな宗教行事に参加している。正月の初詣には神社・仏閣に参拝し、彼岸には先祖の霊を我が家に招いて祀り、クリスマスにはケーキを買ってきてキリストの誕生を我が家で祝う。結婚式も、神前結婚や仏前結婚、キリスト教会での結婚と、宗教に関係なくいろんな儀式を選んでいる。 ■ そのバラエティたるや、神道、仏教、キリスト教はおろか、道教、儒教まで様々な宗教に広がっていて、外国人ならずとも日本人の宗教観には首をかしげたくなる。どうやら日本人は信仰心が薄く、特定の宗教に帰依する気持ちはないようだ。自分の困りごとを解決し願い事を叶ええてくれる神仏であれば、その神仏がいずれの宗教に属していようが大した問題ではないのかもしれない。 ■ こうした多神教観のルーツをたどれば、古代のア