医学部入試不正で釈明する順天堂大学の新井一学長(右)と代田浩之医学部長。心理学者たちは「非科学的だ」と抗議した=東京都文京区で2018年12月10日午後4時51分、長谷川直亮撮影 心理学の論文を根拠に「女子のコミュ力が高い」と女性差別入試を正当化していた順天堂大医学部に、心理学者たちが「素朴な引用で差別的な言動を正当化する行為」と抗議声明を出す騒動に発展している。ところで、この論文はどんなもので、引用のどこがまずかったのか。【宇多川はるか/統合デジタル取材センター】 順大入試の過去6年間の平均合格率は男子9.2%、女子5.5%。全国の医学部で格差が最大だった。 新井一学長らは10日の記者会見で「女子の方が精神的成熟が早く、相対的にコミュニケーション能力が高い傾向がある。20歳を過ぎると差が無くなるというデータもあり、男子を救うという発想で補正した」と釈明。国の調査に不正を否定し、学内の第三