<渋谷/初日/庵野秀明新作> 庵野秀明という人は本当におもしろく、いつになっても目が離せないのであって、『Q』を見終えてやはり、わたしは『エヴァ』が好きという以上に庵野が好きなのだとあらためて気がつく。わたしは庵野秀明が好きだ。ほとんど無条件に信頼しているし、彼が作品を製作する段になってときおり行う、本能的な判断にも惹かれる。作風の変化するタイミングや、クリエイターとしての発想がゴダールに似ているとおもうこともある。アニメを全く知らないわたしだが、庵野が何かをするたびに興奮させられる。 思うに『スター・ウォーズ』の本質を理解し、新たな続編を撮れる作家はジョージ・ルーカス以外にも存在するけれど、『エヴァ』は庵野にしか作れない。むろん設定やキャラクターを借りて、ウェルメイドな『エヴァ』を作ることはできるはずだが、作品のエッセンスだけはコピーすることができないように感じる。なぜなら『エヴァ』はわ
