アイティメディアが主催するライブ配信セミナー「ITmedia DX Summit vol. 8」Day4の基調講演には、サイバーディフェンス研究所 専務理事 上級分析官の名和利男氏が登場。『組織の内部を起点にしたサイバー侵害活動を見逃す「現場の問題点」』をテーマに講演した。 境界防御が廃れ、境界防御自体が脆弱に 境界防御とは、「防御区域の境界に沿って展開された戦力で構成された、露出した側面を持たない防御」のことだ。ネットワークを攻撃から守る一つのレベルであり、外部からの攻撃から保護する。ボディーガードが要人の身辺を守るように、ファイアウォールやIDS/IPS、SIEM、アンチウイルスなどが、社内ネットワークを外部の攻撃から守るイメージである。 これまでのサイバー環境は、管理や検知、対処が可能だった。しかし現在のサイバー環境は、人間や組織の能力の限界を超え、管理や検知、対処が困難になっている
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