【ワシントン=山田哲朗】米航空宇宙局(NASA)は12日、火星表面で砂地にはまって動けなくなった無人探査車スピリットを救い出すため、16日に前進する指令を送信して脱出を試みると発表した。 スピリットは4月、この場所に後進しながら入り込み、細かな砂に車輪をとられ立ち往生した。NASAは地上で現場を再現して脱出方法を検討し、まず車輪を6回転させる指示を送ることを決めた。 スピリットは同型のオポチュニティーとともに2004年に火星に着陸、これまでに30キロ・メートル以上を走破した。NASAは「雪にタイヤがはまった車を動かすようにはいかず、成功しない可能性も高い」としている。脱出に失敗した場合、この場にとどまって科学観測を続ける方針だ。