人権を享有するには何らかの義務を果たさなければならない、と思っている人が少なからずいるようです。しかし、人権を享有するには何らかの義務を果たさなければならない、というのは大きな誤解です。 人権は、憲法や国家から恩恵として与えられるものでは決してなく、人間がただ人間であるということに基づいて当然に有する権利です*1。そして、人間がただ人間であるということに基づいて当然に有する権利ですから、それは何らかの義務を果たさなければ享有できないというものではありません。それに、憲法が公務員による拷問や残虐な刑罰を絶対的に禁止している(憲法36条*2)ことからもわかるように、たとえ凶悪な犯罪者であっても、後述する「公共の福祉」によって人権が制限されることはありこそすれ、人権を剥奪されるということもありません(それゆえ、人権を国家が剥奪する死刑制度は憲法違反であって廃止すべきです。*3)。 もしかすると、