【満州文化物語(36)】李香蘭も魅了されたヤマトホテル 首都・新京では迎賓館として、VIP1000人の大晩餐会を (35)に戻る 満州国首都・新京にある「新京ヤマトホテル」は、うたかたの地に咲いた、きらびやかな迎賓館でもあった。首都を訪れるVIPの宿泊やパーティーはもちろん、満州国宮内府や関東軍司令官官邸などで宴会があるときは、ホテルのスタッフが出向き、料理やサービス一切を取り仕切る。 ハイライトというべき大イベントが昭和16(1941)年から17年にかけてあった。満州国の建国10周年を祝う一連の行事である。 メーンイベントたる皇帝・溥儀(ふぎ)主催の大晩餐会は、宮内府内の皇帝官邸大広間で盛大に行われた。天皇陛下の名代として出席された高松宮さまはじめ、招待客は各国・各界のVIP約1000人。新京ヤマトホテルだけではスタッフが足りず、各地のヤマトホテルからえりすぐりの精鋭スタッフが集められた