津波でも流されなかった歌津公民館=4月28日、中島写すKES構法のイメージ図 東日本大震災の大津波に流されなかった木造の建物があった。建築会社「シェルター」(山形市、資本金5千万円)を営む木村一義さん(61)が、「100年たっても大丈夫な木の建築を」と手がけた工法でつくった施設だった。 津波に耐えたのは、宮城県南三陸町の歌津公民館と同県石巻市の北上総合支所。公民館は、周辺の建物のほとんどが流されたなかに、ぽつんと残る。支所はコンクリート部分と比べて、木村さんの工法をつかった木の部分は傷みが小さかったという。 木村さんは大工の4代目として建築を学び、米国留学もした。木材と木材をつなぐ金具の工夫で、木の強さを引き出す「KES構法」と名付けた工法を編み出し、1974年に会社を起こした。 柱の部分、つまり構造体だけの価格は、ふつうの木造より5〜10%高くなる。リフォームの際に導入できる場合