東京工業大学は9月4日、ビスマスの薄膜が半導体としての性質を持ち、次世代の高速電子デバイスとして可能性があることを発表した。金属元素ビスマス (Bi)は固体の状態でディラック電子を持つことは分かっていたが、半導体でないため電子デバイスとして向かないとされていた(ASCII.jp、東工大の発表)。 今回、東京工業大学大学院理工学研究科と東京大学、自然科学研究機構分子科学研究所などの研究グープでは高品質のビスマス薄膜を作成し、その電気的特性を分子科学研究所のシンクロトロン放射光施設UVSORで測定した。その結果、予想値の30nmよりも厚い70nmで半導体になっていることが判明した。また、10nmよりも薄いと量子サイズ効果とは別の現象により、半導体にはならないという現象も新たに判明したという。