名門PhDの技能を凌駕する高校中退者 カタールの世界教育改革サミット(WISE)で出会った世界銀行の幹部から面白い話を聞いた。 全額奨学金でシカゴ大学を卒業し、MITでコンピューターサイエンスの修士号を取り、アフリカでIT技術を使った教育支援の陣頭指揮を執っているその世銀の幹部が、「保守的で官僚的な世銀人事も、少なくともIT分野では変わらざるを得ない」というのだ。 世界銀行の採用基準は、よく知られているように、最低でも修士号学位が必要で、PhDが望ましいとされている。しかし、IT分野で最近採用された人物が世界の変化を物語っている。 「最近、面接した若者が最高に面白かった。修士号どころか大学も出ていない。大学どころか高校も中退。つまり中卒だ。しかし、彼はすでにIT関連で二社を立ち上げて、二社目を大手IT起業に売却して一生安泰、というより10回以上人生を安泰に暮らせるくらいの財を築いていた。