日本のロケット開発が加速している。7月には、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業が開発した新型の大型基幹ロケット「H3」の打ち上げに成功した。開発に参入する民間企業も増え、打ち上げに向けた技術開発が進む。H3プロジェクトマネージャを務めたJAXAの岡田匡史(まさし)理事にロケット開発の展望を聞いた。 部品規格共通化 必要に ―H3や小型の固体燃料ロケット「イプシロンS」の現状は。 「H3は本格運用に踏み出す中で、恒久的に使うメーンエンジン『タイプ2』の開発を進めている。3次元造形などを活用して製造するため、これまで400点ほどの部品で作っていた装置を1点でまかなえるといった低コスト化のカギにもなる。また、メーンエンジン3基だけで構成する『3―0形態』の開発も順調だ。設計は終了しているため、適切な時期に実証したい。イプシロンSは2段エンジンの開発を進めており、地上燃焼試験の準備をして