都市部の若い世代が祖父母のいる地方に移り住む動きが目立つ。故郷に戻る「Uターン」や古里以外の地へ移る「Iターン」になぞらえ、「孫ターン」と呼ばれる。自然豊かな地方暮らしに憧れるが、見知らぬ土地は不安という若者にとって、祖父母の住む地域は溶け込みやすく、魅力的に映るようだ。 生まれも育ちも神奈川県茅ヶ崎市の中沢太朗さん(24)は4月、甲府盆地の北西部にある山梨県北杜市に移住した。同市の観光PRを担当する地域おこし協力隊として働く。 同市は両親の出身地で、小さい頃から祖父母宅を訪れては、雄大な山々や高原など豊かな自然に魅せられていた。いつかはここで暮らしたいと考えながら、大学卒業後は神奈川県内の建設会社に就職したが、昨年8月に母方の祖父が死去。「いつか移住するなら、他の祖父母が元気なうちがいい」と移住を決断した。 会社員時代より収入は減ったが、「満員電車に乗らずに済み、残業も減った。暮ら