Posted by:早尾 貴紀 あきれるニュースだ。 パレスチナ・ヨルダン川西岸地区のトゥルカレム南部、シャアル・エフライム検問所では、なんとイスラエルの民間の警備会社がパレスチナ人・荷物の通過に対して検問を実施し、なんとなんと!、軍の検問でも止めていない、商品外の基本食料品について、「量が多い」という理由で、通過を阻止しているというのだ! これは検問所の人権監視をしているNGO「マフスーン・ウォッチ」が報告し、ハアレツ紙が地元パレスチナ人にも確認した事実だ。水、氷、家庭食品、ザアタル、コーヒーなどが差し止められている。 さらに具体的に一人当たり携行できる食品を、ホブズ(袋状のパン)5枚、ホンモス(パンにつけるマメのペースト)1缶、チーズ1~2切れ、オリーブの実5~10個、などと詳細に定めているという。 まさに刑務所の差し入れ規制のようだと言うしかない。 実はこの規制の目的の一つには、イス
Posted by:情報センター・スタッフ 1月27日、ガザ地区とイスラエルの境界付近で戦闘があり、イスラエル兵士1人が死亡。イスラエル軍がそこから近いガザ地区内の町、ハン・ユニスを空爆し、パレスチナ人1人が死亡。 イスラエル側は「パレスチナ側が不当な攻撃を仕掛けたので報復した。さらなる報復をおこなう」と宣言。 メディアは、「戦闘再開」や「衝突再開」と報道している。 またここで「報復」とか「衝突」という表現が使われている。 だが、「一方的停戦」以降も、イスラエルは、ガザ地区の封鎖を一切解いておらず、陸海空は軍事包囲下にあり、しかも上空には無人・有人の偵察機・戦闘機が飛び回っている。散発的な砲撃・銃撃も続く。 そもそもガザ地区には、2000年の第二次インティファーダ以降、「停戦」などなかったのだ。それが、02年(大侵攻)、05年(一方的撤退)、06年(ハマス政権)と、包囲攻撃と空爆がどんどん
Posted by:情報センター・スタッフ パレスチナ/イスラエルに関する多くの重要なレポート・論評を掲載してくれているサイト「エレクトロニック・インティファーダ」の共同創設者であるアリ・アブニマーが、昨年12月27日、イスラエル軍によるガザ空爆が開始されたその日に発表した記事です。 この3週間あまりの間、多くの人やサイトで引用・参照されてきたもので、「基本文書」の位置づけにあると言っていいものですが、「停戦」--一般の人たちの目には「これで終わった」と映る状況になった今に、よりふさわしい内容とも言えます。 アリ・アブニマー エレクトロニック・インティファーダ 2008年12月27日 「ラッパを吹き、太鼓を打ち鳴らして、イスラエル空軍が今行なっていることを祝いたい」──これは、ガザに隣接するスデロットのイスラエル市民防衛隊幹部、オフェル・シュメーリングが、今日、アル・ジャジーラで言い放った
Posted by:早尾貴紀 二年前に 東京大学UTCP で招聘したイスラエルの反シオニストの歴史学者イラン・パペ氏が、今回の事態を受けて緊急に執筆した文章です。 なお、このときのパペ氏の講演集は、 ミーダーン編訳にて『イラン・パペ、パレスチナを語る――「民族浄化」から「橋渡しのナラティヴ」へ』(つげ書房新社、2008年) として刊行されています。今回のガザ攻撃の背景を知るうえでも有益です。 また、すでに予告していますように、この同じUTCPの枠組みで、今度はガザ問題の専門家、 サラ・ロイ氏を3月はじめに招聘します 。 ロンドン・レヴュー・オヴ・ブックス(オンライン限定版) 2009年1月14日 「まず彼らを柵で囲い込み、そして、、、」 (改題:イスラエルのメッセージ) イラン・パペ 2004年にイスラエル軍は、ネゲヴ砂漠のなかに模造したアラブの町をつくり始めた。実寸大の町で、名前のついた
Posted by:情報センター・スタッフ ガザでISM(国際連帯運動)の一員として活動しているカナダ人エヴァ・バートレットさんによる、医療スタッフに対するイスラエル軍の攻撃を現場で体験した(自分も銃撃された)レポートです。 医療活動に対する妨害や攻撃がジュネーヴ条約に反する戦争犯罪であることに加え、この攻撃は、イスラエルが言うところの「人道支援のための3時間」の停戦中になされたとのことです。 各所で報じられているように、イスラエル軍による医療スタッフへの攻撃も、「人道支援のための3時間」の停戦中の攻撃も、ともに珍しいことではありません。 文章のあとに、スタッフが撮影した映像も掲載しています。 エヴァ・バートレット エレクトロニック・インティファーダ/Live from Palestine 2009年1月12日 1月7日、スペインの人権活動家でドキュメンタリー作家のアルベルト・アルセと一緒
Posted by :早尾 貴紀 イスラエルのガザ侵攻をめぐって、いろいろと貴重な発言、良心的な発言が翻訳紹介されています。 しかしもちろん、こういった発言が世論の主流を占めているわけではなく、稀少だからこそ拾われて紹介されているということでもあるわけです。 ここで反対に、ひじょうに巧妙にイスラエルの軍事攻撃を正当化する議論を紹介します。論者はマイケル・ウォルツァー(Michael Walzer)。アメリカの政治思想・倫理思想の研究者で、日本でも、その主要な著作が次々と(もう10冊も!)翻訳紹介されている人気の思想家です。共同体の倫理と人権の理論で知られます。 そして彼は、〈9・11〉のときも、アメリカの軍事行動を正当化する代表的イデオローグとして名を馳せました。 それだけではありません。ウォルツァーは、もはや古典とも称される正戦論、『正しい戦争と不正な戦争』を1977年に刊行し、とうとう
(ガザ侵攻関連:翻訳)ロバート・フィスク:アラブの人たちはどうして私たちをこんなにも憎むのか?──私たちはその答えを知っているはずだ Posted by:情報センター・スタッフ イギリスの『インディペンデント』紙に掲載された、中東に関するベテラン記者ロバート・フィスクの記事の翻訳です。 アラブの人たちはどうして私たちをこんなにも憎むのか? ──私たちはその答えを知っているはずだ ロバート・フィスク 2009年1月7日 インディペンデント またもイスラエルは、パレスチナ人の前で地獄への扉を開け放った。国連の運営する学校に避難していた40人の一般市民が死んだ。さらに、別の場所に避難していた人が3人。「戦争の潔白性」を信じるイスラエル軍にとって、ひと晩の仕事としては「悪くない」というところだろう。しかし、私たちはどうしてこれに驚かなければならないのか。こんなことはもう嫌というほど見てきたではない
Posted by:早尾貴紀 この文章は、イスラエルの反シオニスト団体「民主的行動機構」のヤコブ・ベン・エフラートが、 「ガザを支配するイスラエル」 に寄せられた異論に応えたものです。併せてお読みください。 【追記】 訳者として補足の文章を「スタッフノート」にアップしました。 「ハマス政権の評価をめぐって――ヤコブ・ベン・エフラートの論考への訳注として」 のほうも併せてお読みください。 ガザ戦争に対するイスラエルの責任 (先の論考 「ガザを支配するイスラエル」 に対する釈明) ヤコブ・ベン・エフラート 私の論考「ガザを支配するイスラエル」は、驚いたことに、非常に多くの反応を引き起こしたが、なかには、もっぱらこの事態の責任をイスラエルにのみ帰したことに対する異論も含まれていた。確かにあれだけの短い一論考では、発端をはるか1967年までさかのぼるこの戦争を包括的に分析してみせることは不可能だっ
Posted by:情報センター・スタッフ ガザのフリージャーナリスト、サファ・ジューデーによるレポートの第3弾です。 サファ・ジューデー エレクトロニック・インティファーダ/Live from Palestine 2009年1月5日 1月3日の夜、私たちは悟った。イスラエルの戦争大臣エフード・バラクの言葉に正しいと言えるものがあるとしたら、それは唯一、この侵攻が長いものになるということだ。こちらの時間で午後9時15分、イスラエル軍は3つの地点からガザ地区に入ってきた。F-16が上空から掩護する中、ガザ市の東、そして、北部のジャバリヤとベイト・ラヒヤから、パレスチナの人々が住む地域に戦車隊が進軍してきた。同じ時刻に、ガザ最南端のラファにも、東南から戦車と歩兵部隊が侵入した。ガザ市のミンタル地区には戦車砲と大砲の砲弾が雨あられと襲いかかり、海からもガザ市に向かって戦艦からの一斉砲撃が起こった
Posted by:早尾貴紀 以下は、ホロコースト生き残りの二世であるユダヤ人で、ガザ地区研究の専門家であるサラ・ロイ(Sara Roy)氏の文章の翻訳です。彼女は現在、ハーバード大学中東研究所におり、この3月2~7日に、東京大学 UTCP に招聘されることになりました。(二年前にイラン・パペ氏を招聘したのと同じ枠組みです。) 詳細日程が決まりましたら、本欄でも告知します。(京都大学でも一回だけ共催企画をもつ予定です。) なお、サラ・ロイ氏の著書二冊については、 こちら をご覧ください(書影入り)。 イスラエルのガザでの「勝利」には法外な対価がつく ――ユダヤ教倫理の伝統はパレスチナ人をも受け入れることを意味する サラ・ロイ(2009年1月2日) ガザの友人らの声は、まだ電話口にいるかのようにはっきりと耳に残っている。彼らの苦痛の声が私のなかにこだまする。子どもたちの死を嘆き悲しんでいたが
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