これまで武藤貞一のGHQ焚書を3冊紹介してきたが、今回紹介する本は、第二次世界大戦でわが国がアメリカに宣戦布告した約半年前に出版された『日米十年戦争』(GHQ焚書)である。 奥付を確認すると、この本が出版された日は昭和十六年六月五日で、手元にある本は同年七月一日で十版とあり、わずか二十五日で十回も版を重ねている。当時のベストセラーであったと思われる本なのだが、今では武藤というジャーナリストの名前を知る人はほとんどいないのではないか。 彼の名前が知られていない理由は、このブログで何度か書いたとおり、戦前戦中の彼の著作の四割はGHQによって焚書処分され、戦後の出版物も含めて彼の作品すべてが国立国会図書館デジタルコレクションでネット公開されていない現状にあり、戦後の長きにわたり彼の著作は封印されてきたことが大きいのだと思う。 日米との国家総力戦はすでに始まっていた 本著の中で武藤は、日米戦争は単
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