昨年4月より、当グローバルCOEは新しい推進者を迎えています。理学系研究科化学専攻に東大先端科学技術センターより移籍された、菅裕明(すが ひろあき)教授です。この春より研究室全体が本郷に転居し、本格的に始動することになっています。 菅教授の専門分野はケミカルバイオロジー、すなわち有機化学などの手法を武器として生物学へ切り込んでゆくという、比較的新興の分野です。特に最近力を入れているのが、生命の持つ物質合成システムを「進化」させ、天然には存在しない高機能物質を新しく作らせてしまうという、ちょっと驚くような技術です。多くの分野に大きな影響を与えそうな手法ですが、一体どうすればそのようなことが可能になるのか、お話を伺いました。 菅 裕明教授 ・新たなタンパク質を創る 生命のシステムを支えている物質がタンパク質(ペプチド)であることは、今さらいうまでもないと思います。タンパク質は基本的に20種類の