8年ぶりに赤字転落した吉野家。長らく牛丼業界を牽引し、経営も安定していたが、何が起こっているのか。経営コンサルタントの鈴木貴博氏は「吉野家は『牛丼ひとすじ』で牛肉の部位にこだわるため、原材料のコスト増に対応できていない。事態は決算数値以上に深刻だ」という――。 ■「外食産業の優等生」から赤字に転落 牛丼大手の吉野家ホールディングスが1月10日に発表した2018年度第3四半期決算でマイナス5億6200万円の営業赤字を発表しました。前年度の同じ時点では25億9400万円の黒字でしたので、約32億円幅の減益です。 吉野家はなぜ赤字に転落したのでしょうか。通期ではこの状況はどうなるのでしょうか。他のライバル会社は大丈夫でしょうか。そしてどうすれば黒字基調に戻せるのでしょうか。 今回、吉野家が赤字に転落した要因は大きく3つ挙げられます。 (1)2018年10月から4カ月連続して既存店売上高が前年マイ