過酷な労働のために「躁うつ病」を発症して退職したところ、会社から約1200万円の損害賠償を求める訴訟を起こされて精神的苦痛を受けたとして、IT企業で働いていた20代男性が、会社を相手取って、損害賠償を求めた裁判の判決が3月30日、横浜地裁であった。横浜地裁は、会社側の請求をすべて棄却。男性に対して110万円を支払うよう命じた。 男性の代理人をつとめた嶋崎量弁護士によると、男性は2014年4月にIT企業「プロシード」(神奈川県)に入社。劣悪な職場環境のもとで、精神疾患(躁うつ病)を発症し、同年12月に退職した。 ところが、男性は、会社から「ウソの病気で、会社を欺いて一方的に退社した」として、約1200万円の損害賠償を求める訴訟を起こされた。この提訴によって、症状が悪化するなど、精神的苦痛を受けたとして、反対に損害賠償を求めて提訴していた。 判決を受けて、男性は代理人を通じて「この判決で、裁判
夫のネットゲームのアカウントを消したら、激怒して離婚を申し込まれたーー。結婚したばかりの女友達から、そんな報告があったことを紹介するツイートが2万回以上リツイートされ、話題になった。 投稿者によると、女友達は仕事に集中してほしいと考え、夫が遊んでいるネットゲームのアカウントを消したそうだ。激怒する夫をみて、取り返しがつかないことをしたと考えたのか、投稿者に助けを求めてきたのだという。 投稿者は、ネットゲームのアカウントは、所有者にとっては財産だとして、夫婦間であっても人の財産を勝手に処分することにやめるよう忠告したという。ネットゲームのアカウントを勝手に処分することは、法的に問題なのだろうか。濵門俊也弁護士に聞いた。 ●法律上の財産は、形のあるモノであることが原則 「いくら夫婦でも、夫(妻)の財産を勝手に処分することは刑法上、器物損壊罪に該当し得る行為ですし、民法上の損害賠償請求の対象とな
「無期懲役なら『15年くらい』で仮釈放になる」。テレビ番組で、ある弁護士が発した言葉がネットで話題になっている。問題の番組は、6月13日に放送された関西ローカルの情報番組「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」(朝日放送)。番組のコメンテーターである大渕愛子弁護士の発言が「事実に反する」などとして、ネット上で批判を受けているのだ。 ●テレビ番組出演者が「無期懲役なら15年で仮釈放になる」と発言 番組では、千葉県柏市で2014年3月に起きた「連続通り魔事件」の裁判員裁判の判決が取り上げられた。 2人が死傷したこの事件で、千葉地裁は6月12日、強盗殺人に問われた男性被告人に対して、無期懲役の判決を下した。判決直後、被告人は法廷で拍手をして、「これでまた殺人ができる」などと悪態をついたという。 この判決の紹介を受けて、番組の出演者の薬丸裕英さんが「無期懲役ということは、だいたい15年くらいで仮釈
「憲法が同性婚を禁止しているという解釈は成り立ちません」——。憲法学者の木村草太・首都大学東京准教授が4月25日、東京都内で開かれた「同性婚」を考えるシンポジウムに登壇し、「憲法24条が同性婚を禁止しているという説(同性婚禁止説)」をバッサリと切り捨てた。 木村さんは「同性婚禁止説」と「同性婚合憲説」を比較・分析した結果として、「同性婚禁止説は、説得力が5分の1、憲法条文との整合性は4分の1しかない。条文の理念・趣旨との整合性は比べるべくもない。その一方で『お笑い度』は4.5倍ぐらいあります」と話した。 ●「両性」は男女だけのこと? どうしたら、「お笑い」になるのだろうか? 憲法24条には「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」と書かれている。 木村さんはまず、「両性」が何を意味するのかがポイントだと話
地毛なのに「髪を黒く染めろ」と上司から命令されて精神的苦痛を受けたとして、兵庫県内のスーパーでアルバイトをしていた女子高生が、スーパーに慰謝料など60万円の損害賠償を求める裁判を起こした。神戸地裁姫路支部は3月下旬、「生来の身体的特徴を否定するのは極めて不適切」などとして、スーパーに慰謝料など33万円の支払いを命じた。 報道によると、この女子高生は、レジ打ちや食品の陳列を担当していたが、副店長から「頭が少し茶色いから、染めるか辞めるかの二者択一で決めてほしい」と言われていた。判決では、こうした発言が「髪を染めるか退職かを選択させる理不尽なもの」と指摘され、「原告の精神的苦痛は甚大だった」と認めた。 ネット上では、地毛が茶髪やパーマのように見える髪質の少女が、学校の先生に「髪を黒く染めなさい」「縮毛矯正しなさい」「このままでは行事に出席させられない」と言われたという相談もみかけられる。そのよ
イスラム国による日本人人質事件に関して、イスラム国司令官との交流があるというイスラム学者・中田考氏(同志社大客員教授)が1月22日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開いた。中田氏は記者会見で「人質の救助のため」として、「日本は、イスラム国が要求している身代金と同額の2億ドル分の人道支援を、イスラム国の支配地域で行うべきだ」という日本政府に向けた提案を明らかにした。 ●イスラム国の支配地域の難民に「2億ドルの人道支援」を行う 中田氏はイスラム法学・神学の研究者で、イスラム教徒でもある。1992〜94年には外務省の専門調査員としてサウジアラビアで働き、シリアには10数回渡航歴があるという。ただ、現在は、イスラム国に渡航しようとした北大生を手助けしたとして、警察の捜査対象となっている。 中田氏は、安倍政権の中東外交について「日本が今回表明した人道支援は、300万人のシリア難民の過半がいる
元朝日新聞記者で慰安婦問題の報道に関わった植村隆氏が1月9日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開き、「不当なバッシングに屈するわけにはいかない」と語った。記者からは、朝日新聞が虚偽だったとして記事を取り消した「吉田清治氏の証言」についての質問も出たが、植村氏は「吉田証言の記事を1本も書いていない」と関与を否定した。 植村氏は、1991年に韓国で初めて「私は慰安婦だった」と名乗り出た女性の記事を書いたことで知られるが、女子挺身隊と慰安婦を混同したことなどで批判を受けている。一方、慰安婦報道をめぐっては、「済州島で、朝鮮人の女性を慰安婦にするために強制連行した」と証言した故・吉田清治氏の記事について、朝日新聞が昨年、誤報だったと認め、謝罪した。 朝日新聞が取り消した「慰安婦狩り」に関する記事は、1982年から1994年にかけて掲載されたものだ。ちょうど、植村氏が慰安婦の記事を書いた時期
慰安婦問題の記事を書いた元朝日新聞記者の植村隆氏が1月9日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開き、週刊誌記事などで「捏造」と批判されていることについて、「私は捏造記者ではない。不当なバッシングに屈するわけにはいかない」と主張した。植村氏はこの日、「捏造記者」と報じた文藝春秋と西岡力・東京基督教大学教授に損害賠償を求める訴えを起こした。 植村氏は朝日新聞記者時代の1991年8月、元慰安婦だと初めて名乗り出た韓国人女性が証言しているテープをもとに、記事を書いた。朝日新聞社が昨年8月に虚偽であると判断した故・吉田清治氏の「慰安婦狩り」証言の報道とともに、慰安婦問題が大きくクローズアップされるきっかけとなった。 植村氏は2014年に朝日新聞社を退職し、現在は北星学園大学(札幌市)で非常勤講師を勤めているが、大学に対して、植村氏の退職を求める脅迫状が届き、大きな問題になった。植村氏の記事をめ
朝日新聞社の渡辺雅隆社長は1月5日、東京都内で記者会見を開いた。福島第一原発事故の「吉田調書」や慰安婦問題の報道などをめぐって、誤報などの問題が続発したことを受けて、「信頼回復と再生のための行動計画」を発表した。 行動計画は、(1)公正な姿勢で事実に向き合う(2)多様な言論を尊重する(3)課題の解決策をともに探る、の3つの理念を核としている。社外からの意見に耳を傾け、多様な価値観を新聞に反映させることを目指す。 具体的な取り組みとして、「訂正記事」をまとめて掲載するコーナーを今春から紙面に新設する。記事に誤りがあった場合、速やかに訂正・謝罪し、その経緯や理由も詳細に説明する。また、誤報の防止に向けて、大型企画や調査報道では、他の部署にも記事を見せて、チェック体制を強化する。 渡辺社長は「わたしたちの仕事は、『歴史を記録』していく作業でもある。訂正記事が載っているコーナーをつくり、経緯を含め
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