「もしこれで有罪になってしまうと大変なことになります」 通称赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)の運営でも全国的に知られる慈恵病院(熊本市西区)の蓮田健院長(産婦人科医)が、とある裁判後の会見で強い危機感を示した。 慈恵病院では24時間のSOS相談事業などを通じて毎年6~7000件の妊娠・出産相談を受けており、相談は全国の女性やその関係者から寄せられるという。 「今回の判決は無罪でないと困ります」 「(有罪判決が逆に)犯罪を誘発してしまう可能性を心配しています」 「今回有罪になったら、私たちも(電話相談などの)対応をガラッと変えないといけないので」 会見でのこうした言葉とともに、蓮田院長が大きな懸念を示したその裁判を、私も傍聴していた。 熊本地裁 2021年6月21日月曜日。13時半からベトナム人技能実習生のレー・ティ・トゥイ・リンさんを被告人とする刑事裁判の第一回公判が開かれた。場所は
東京都足立区の病院で2016年、手術直後の女性患者の胸を舐めたなどとして準強制わいせつ罪に問われた男性医師の控訴審にて、2020年7月13日、東京高裁は1審(東京地裁)の無罪判決を破棄し、懲役2年の判決を言い渡した。 この事件をめぐっては、被害者のA子さんや被害者参加弁護士らが、1審判決の妥当性について疑義を呈していた。1審判決直後の記事を改めて配信する。 なお、文春オンラインでは後ほど控訴審判決についても詳報する。 (初出:文春オンライン 2019/03/12) * * * 東京地検は3月5日、東京都足立区の病院で2016年、手術直後の女性患者の胸を舐めたなどとして準強制わいせつ罪に問われた男性医師(43)を無罪とした東京地裁判決を不服として、東京高裁に控訴した。 医師に無罪判決を言い渡した 2月20日、東京地裁の大川隆男裁判長は、女性が麻酔による幻覚の影響を受けていた可能性があると指摘
手術直後の女性の胸をなめたなどとして、40代の乳腺外科医が準強制わいせつ罪に問われていた事件。東京地裁(大川隆男裁判長)は20日の判決で、外科医を無罪とした。 本件では、2016年5月10日に東京都足立区内の病院で、右胸の腫瘍を切除する手術を受けた30代女性患者のA子さんが、病室に戻ってから、医師に左胸をなめられたなどして被害を訴えている。一方、外科医は一貫してわいせつ行為を否認し、無実を訴えてきた。 当日、LINEでAさんから連絡を受けた知人が警察に通報。駆けつけた警察官が、左乳首付近から微物を採取した。裁判では、警視庁科捜研による微物鑑定の信用性と、A子さんの証言の信用性が最大の争点となった。 検察は、被告人のDNAが含まれる唾液及び口腔内細胞が検出された、と主張。鑑定を行った研究員は経験豊富で知識や技術、技量は充分などと鑑定の信用性を強調し、被害を訴えるA子さんの証言も信用性が高いと
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