※本稿は映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』のラストを含むネタバレに言及しています。未鑑賞の方はご注意ください。 『オデッセイ』原作者アンディ・ウィアーのベストセラーSF小説を、『LEGOムービー』『スパイダーマン:スパイダーバース』のフィル・ロード&クリストファー・ミラーが映画化した『プロジェクト・ヘイル・メアリー』がロングランを続けている。主演は『バービー』『ラ・ラ・ランド』で知られるライアン・ゴズリング。 原作は刊行半年でミリオンセラーを達成し、ビル・ゲイツやオバマ元大統領までもが絶賛したハードSFだ。タイトルの「ヘイル・メアリー」は、アメリカンフットボールの“捨て身のロングパス”──転じて「絶望的な状況での挑戦」を意味する。アストロファージ、ペトロヴァ・ライン、キセノナイト、エリディアン数字──ストレートな「科学」の濃度に、二度目の鑑賞に足を運ぶ観客が絶えない。本作の科学描写は、

