画面越しに見る若い女性は、ほんの少し緊張した面持ちだったという。 岡山市にある「ウィメンズクリニック・かみむら」。院長・上村茂仁さんはモニターの向こうにいる女性の話を聞いていた。オンラインでの診察だ。女性は緊急避妊薬(アフターピル)を求め、岡山県のある処方箋薬局に駆け込んできた。 上村さんは、女性が薬局で記入した問診票を元に、一番重要な点だけを念押しした。 「相手はパートナーで、同意はあったけど避妊できていなかったということですね」 女性が「はい」と答えると、上村さんはピルを処方すると告げた。最後に「心配なことはないですか」と尋ねる。すると、女性から質問が次々に飛び出した。 「行為から1日以上たってしまいましたが、妊娠は回避できますか」 「アフターピルを飲むと、生理の時期は変わりますか」 上村さんは、48時間以内なら85%くらいの確率で防げること、生理は遅れたり早まったりすることを説明した