「鬼き滅めつの刃やいば」は社会現象となり、勢いはとどまるところを知らない。鬼と戦う少年の成長と友情を描いた物語の舞台は大正時代の日本だが、果たして現代の日本に鬼はいるのか? いるとすれば、どんな姿なのか? 2015年の連載「今を、呼吸」から、「鬼」について考察した前後編を復刻します。 頭には角、丸い目玉に鋭い牙。筋骨隆々でこん棒を握りしめる、鬼。秋田では大みそかに「なまはげ」が現れる。正月になると九州各地で「鬼火」が行われ、太宰府天満宮では「鬼すべ」。節分には、大分・国東半島で修しゅ正じょう鬼会が催される。正月や旧正月は一年で最も多く鬼が現れる時期だが、今、それ以外の時期には見かけなくなったような気もする。あらためて考えてみる。鬼はどこにいるのか? § 2014年に最も注目を集めたテレビCMには鬼が登場する。炭酸飲料「ペプシNEX ZERO」のCMは、俳優小栗旬さん扮ふんする桃太郎が、村を