動物の体の表面にある被毛や羽やウロコ。見た目は異なるが、基本的な構成要素は同じものからできている。 その証拠に、遺伝子にちょっと手を加えてやるだけで、ウロコから羽へと変化させることができるのだ。 スイスのジュネーブ大学の研究チームは、ニワトリの遺伝子をわずかに操作し、足をおおっているウロコを羽毛に変えることに成功し、『Science Advances』(2023年5月17日付)で報告している。 このことは、ウロコから羽毛といった一見革命的に思える進化には、じつのところ大げさな遺伝子の変化など必要なかったことを示しているそうだ。 毛も羽もウロコも構成要素は同じ 動物の体をおおう毛や羽といった皮膚の表面は、色とりどりでバラエティ豊かだが、いずれもケラチンで作られており、数億年前の爬虫類と同じ起源をもつ。 その起源とは、「プラコード」と呼ばれる皮膚の発生に重要とされる細胞の集まりだ。これが厚くな