国際宇宙ステーション(ISS)に補給物資を運ぶため、日本が開発している輸送機が「HTV」(H-II Transfer Vehicle)である。このHTVで運ぶ物資の量は6トンで、機体を含めた全重量は約16.5トンにもなるのだが、日本の主力ロケットである「H-IIA」では、最強型の204型でも打上げ能力が足りない。HTVを打上げるために、新たなロケットも必要となるのだ。 そこで現在、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業(MHI)が共同で開発を進めているのが新型の「H-IIB」ロケット。最大の特徴となるのは、メインエンジンの「LE-7A」を2基搭載していること(これをクラスタ化という)。海外ではスペースシャトルのオービターなどに例があるが、日本のロケットでメインエンジンのクラスタ化は初めてとなる。 現在、このH-IIBロケットは、実機の1段目を模擬した「厚肉タンクステージ」での燃焼試験