創られた「日本の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史 (光文社新書) 作者: 輪島裕介出版社/メーカー: 光文社発売日: 2010/10/15メディア: 新書購入: 6人 クリック: 93回この商品を含むブログ (70件) を見る 昭和三十年前後に登場した三橋美智也は民謡調歌謡曲、三波春夫は浪曲調歌謡曲であり、その時点では誰も演歌とは呼ばない。こう見てくると<演歌>そのものが見当たらない。一九六〇年代のどこかで発生したとしか、言いようがない。 とは、小林信彦の言葉の孫引きである。演歌はいつ生まれたのか? どっかの議員たちが「演歌の伝統を守ろう会」みたいなのを結成し、ニュースになった。それに対してはてなブックマークなどで「演歌なんかべつに日本の伝統でもねえよ」というような指摘があり、本書の名前も出てきていた。おれもぼんやりと「演歌なんてロックより歴史が浅いんだろ」と思っていたが、あくまで