地上3階建て、高さ約37メートルの駅舎と、グレーを基調とした近代的なビル。2024年春に予定される北陸新幹線延伸で「終着駅」となるJR敦賀駅(福井県敦賀市)では、工事が着々と進む。駅周辺も、今秋のオープンに向けてホテルやブックカフェ、飲食施設などの建設が進み、その姿は日々変化している。駅前商店街には新幹線を写したタペストリーが掲げられ、敦賀開業が近づいていることを知らせている。 ただ、市民の関心が高まっているとは言い難い。官民で構成し開業に向けた機運醸成を担う「新幹線敦賀開業まちづくり推進会議」(以下、推進会議)の奥井隆会長は「取り組みが遅れていることは否めない」と認める。当初23年春予定だった敦賀開業が工事の遅れから1年延期になったにもかかわらず、宿泊機能を備えたレストランなど集客の目玉施設はいまだ検討段階。建設が間に合うか分からない。点在する観光スポットをつなぐまち…