IoTの進展は製造業へとPoUデータ(Points of Usage:製品利用データ)をもたらします。これは、流通がPoSデータ(a Point of Sales:販売時点データ)を手にした以上に大きな変化の原動力となるでしょう。データの収集や分析止まりにすることなく、PoUデータにもとづいて顧客や従業員の振る舞いを変えることではじめて、競争力が高まったり、金の流れが変わります。本稿ではP&Gや、米仏ベンチャー企業による歯ブラシのPoUデータ活用を例に、振る舞いの変化が金の流れを変える様子を紹介します。 成人の9割はむし歯経験者 数年来だましだましやり過ごしてきた歯の違和感に耐えられず歯医者に行ったところ、ひどいむし歯と診断され、痛みと恐怖に耐えながら治療をするはめになりました。むし歯はつらいですし、それに対する処置もつらい。できることなら、むし歯とは無縁の生活を営みたい。このような願いを