スタートアップの課題の一つに挙げられるのが、ファイナンスです。キャッシュ・フローのマネジメントは、CFO(最高財務責任者)に期待される最も重要なミッションです。どこから、いくら、どうやって資金を調達するのか、そして資金をどのように投資するのかを決定していきます。 企業の資金調達環境は、10年前と比較して大きく改善しています。私が証券会社に入社した2005年ごろはIPO(新規株式公開)が盛り上がっていましたが、2008年のリーマン・ショックで状況が一変し、ベンチャーキャピタル(VC)などのファンドの資金も細ったために、資金調達面で大変厳しい時代が続きました。 しかし、それから数年後に当時未上場会社であったメルカリの大型資金調達の成功で、日本におけるスタートアップに対する見方が変わりました。そして、メルカリやラクスルなどのIPOの成功によって日本のスタートアップへの評価が見直され、VCにも海外