失踪老人からチャルメラバンドまで:TikTok民俗学が広げるバーチャル・フィールドワークの地平TikTokといえば日本では若い世代を中心にユーザーがミーム化したダンスを踊って楽しむ短尺動画アプリとして定着している。しかし中国では少し様子が異なるらしい。短尺動画のプラットフォームは人びとが自らを表象する手段であり、民俗学のフィールドワークの場にすらなり得るという。大陸の端々で今日も生きられる文化の、思いもよらぬディティールへとわたしたちを誘う、中国版TikTokの広野とは。 中国版TikTokの動画を手がかりにたどり着いた湖南省の「張五郎」信仰の現場。張五郎は気性の荒い神のため、机の下に祀るという photograph by Toru Otani 民俗学というと、市井の人びとの慣習や伝承を自らの足で探し集めたり、そうしたものの痕跡がたどれるような文献資料にあたったりする学問というイメージがあ

