埼玉県川口市周辺には2000人以上で形成されたクルド人のコミュニティがあり、隣接している蕨市は「ワラビスタン」とも呼ばれている。しかも、2000人以上というのは過去の在留資料を基にした推定人数でしかなく、彼らはヨーロッパ各地から次々に親戚や知人たちを川口市周辺に呼び寄せてコミュニティを拡大させている。(全2回の第1回)【藤原良/作家・ノンフィクションライター】 *** 【衝撃の証拠写真】埼玉県民を震え上がらせる「クルドカー」 「これで崩れ落ちないのが不思議」 川口市に住むクルド人の実数は、市役所でも「何人いるのか把握できていない」というのが実情だ。主にトルコの小さな山岳集落からやって来る彼らは、日本語にも不慣れで日本の地域社会に溶け込むのに苦労している者も多い。そうした背景から、一部の在留クルド人の素行の悪さが問題視されるようになり、SNSに非難の声が投稿されるのも当たり前の光景となった。