6月初め、ロボット開発に携わる日本の関係者に衝撃的ともいえる出来事が起こった。人型の国際ロボット競技会で日本のチームが最高10位と惨敗し、韓国チームが優勝する想定外の結果に終わったのだ。「『打倒日本』世界の頂点に」(朝鮮日報日本語版)といったように、韓国メディアが誇らしげに伝えたのは言うまでもない。もっとも日本勢は万全の態勢ではなく、技術面でさほど悲観する必要はない。直視すべきは予選で1位だった日本のベンチャー企業が米グーグルに買収され、決勝戦に「エース」を送り込めなかったことだ。起業家が育ちにくい日本の風土は変わっておらず、今回の惨敗につながった。 競技会は、米カリフォルニア州のロサンゼルス郊外にある競馬場で6月5、6の両日に開かれた。主催したのは米国防総省の研究機関、国防高等研究計画局(DARPA)。東京電力の福島第1原発事故を受け、人間が近づくことができない災害現場で活躍できるロボッ